取扱業務

離婚について

離婚問題について

離婚して他の人と結婚したい

Q私は妻帯者です。なんとなく、結婚生活とはこんなもんなんだろうと思ってきたのですが、このたび、この人こそと思う女性と巡り会えました。彼女も私のことを愛してくれていますので、家を出て2人で暮らしています。妻には申し訳ないのですが、離婚して正式に彼女との新しい人生をスタートさせることはできないでしょうか?

A奥さんが納得されて協議離婚ができれば、それに越したことはありません。奥さんが離婚に応じられない場合は、家庭裁判所の調停、それでまとまらねば離婚請求訴訟ということになりますね。
日本の法は有責主義(円満だった婚姻関係を破綻させた有責者に対する離婚請求だけを認める考え)をとっています。ご相談のケースでは、婚姻関係を破綻させた原因は、奥さんより新しい女性を選んだあなたにある(あなたが有責配偶者)といえますので、原則として、あなたからの離婚請求は認められないことになります。
もっとも、例外的に、有責配偶者からの離婚請求が認められる場合もあります。
日本で有責配偶者からの離婚請求を正面から認めた最初の判例は、昭和62年9月2日の最高裁判決です。この判決は、夫婦の別居期間は36年に及んでおり、相手方配偶者が離婚によって精神的・社会的・経済的に極めて苛酷な状態におかれる等、離婚請求を認容することが著しく社会正義に反するといえるような特段の事情がないとして離婚を認めました。
その後、有責配偶者からの離婚請求とそれに対する裁判所の判断が次々出されていますが、離婚請求を認めた事例は、別居期間の一番短いものは6年以上で、2人の子供も大学を卒業しており夫婦間に未成熟の子がおらず、妻は相当の収入を得ていて、夫は離婚に伴う給付として妻に自宅建物を分与し、同建物について残っているローンも完済し続けるとの意向を表明しているという事情があったものです。
必ずしも有責配偶者からの離婚請求が認められないとは限りません。あなたのケースで離婚できるかどうかは、弁護士に相談した方がよいでしょう。
ただ、いずれにせよ、裁判で争う負担等も考えますと、やはり冒頭で述べましたように奥さんの了解を得て円満に解決するのが一番ではないかと思われます。

離婚の手順・手続き

Q夫婦で離婚しようということになったのですが、他に何か決めなければいけないことがありますか、また手順・手続はどうすればいいのですか。

Aご夫婦どちらも離婚に異議がなければ、婚姻届と同様に、証人2人の署名捺印を得て、お二人が署名捺印した協議離婚届出書を役場に提出すればよいのです(用紙は役場に置いてあります)。ただ、未婚未成年の子どもがいるときは、どちらがその親権者になるかを決めて、協議離婚届出書の所定欄に記入しておかなければなりません。

実際に離婚となると、上に書いた以外に、決めるべき問題がたくさんあります。
親権者にならなかった親が子供と面会できるか、またその程度・頻度=面接交渉権
その子供を現実に監護養育していない親の養育費支払問題
夫婦である間に協力し合って築いた共同財産の清算=財産分与
浮気などで夫婦の間を破綻させた側が償うべき慰謝料
年金の分割(ただし、企業年金は財産分与で考慮されます。)
これらの問題は、協議離婚後に話し合って決めることも可能ですが、いったん離婚してしまうと、二度と会いたくない、口も効きたくない、ましてや金は出したくないといったことになりがちですので、離婚前に二人で取り決めたり、家庭裁判所の調停で離婚とともに合意する方がよいと思われます。
これらの諸問題を未解決のまま協議離婚された場合、養育費は調停申立など正式に請求した時以降の分しか認められません。また、財産分与請求権や年金分割請求権は、離婚から2年で、夫婦の間を破綻させる行為は加害者と被害を知ったときから3年で時効消滅しますので、気をつけて下さい。

離婚の調停・裁判手続について

Q離婚したいのですが、妻が応じてくれません。どのようにしたら離婚することができますか。

A1)離婚調停の申立て

夫婦の一方が離婚を希望しているが、他の一方が離婚には応じないという意向のとき、離婚を求める側から(原則として相手方の住所地を管轄する家庭裁判所に)夫婦関係(離婚)調停の申立をします。 家庭裁判所では、その事件を担当する調停委員2人と審判官(裁判官)1人の3人で調停委員会を構成して、調停に臨みます。当事者は調停委員2人に、希望や意見を述べて解決の途を探ってもらいます。しかし、調停委員や調停委員会から結論を押しつけられることはありません。

2)離婚訴訟の提起

調停でも話がまとまらなければ、離婚を求める側は離婚を求める裁判を起こさざるをえません。民法770条1項では、裁判で離婚できる原因を、
1.配偶者に不貞な行為のあったとき
2.配偶者から悪意で遺棄されたとき
3.配偶者の生死が三年以上明らかでないとき
4.配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき
5.その他婚姻を継続しがたい重大な事由があるとき

に限ったうえで、2項で、上記1から4の事由がある場合でも、一切の事情を考慮して婚姻の継続を相当と認めるときは、離婚の請求を棄却することができるとしています。
例えば、1でふとした過ちで1度だけ不貞行為があったが本人が十分反省しており2度とそのようなことは起こらないだろうと考えられる場合や、4で離婚されたら強度の精神病にかかっている配偶者の面倒を見てくれる人が誰もおらずあまりにも気の毒だという場合等に離婚の請求を棄却した例があります。

あなたの離婚を求める理由が、この民法770条1項の離婚原因に当てはまっているかどうかを考えてみて下さい。当てはまっていなければ裁判での離婚は難しいので、慰謝料ないし解決金名目での金を多く支払うなどして、離婚を納得してもらうように話を進める方がよいのではないでしょうか。

婚姻費用について

別居中の生活費(婚姻費用)について

Q現在夫と別居しているのですが、夫が生活費を支払ってくれないので、生活が苦しくて困っています。どうしたらいいですか。

A別居していても夫婦は互いに助け合わなければなりません。専業主婦であっても共働きであっても、それぞれの収入によっては相手方に相応の生活費を支払わせることができます。
いまだ離婚していない夫婦の生活費のことを「婚姻費用」とよんでいますが、相手方配偶者の自発的な支払が期待できない場合には、家庭裁判所へ婚姻費用分担の調停申立をすることができます。この手続では原則として過去にさかのぼっては請求できない扱いになっていますので注意が必要です。

婚姻費用の額の変更

Q一度決められた婚姻費用(離婚していない夫婦の生活費)の額は、変更することができないのでしょうか。

Aいったん決められた婚姻費用について、収入などの経済的事情等が変われば変更を求めることは可能です。話がつかなければ家庭裁判所へ調停の申立をします。調停で話し合いができなければ審判という手続で判断されます。

子どもをめぐる問題

子どもの親権

Q子どもの親権はどのように決まるのでしょうか。

A子どもの親権は、様々な事情を考慮して、いずれの親が親権者であることが子どもにとって最も適切かという観点から決まります。
どのような事情を考慮するのかというと、
◆親側の事情
◆各々の監護体制(経済状況、居住環境、家庭環境、教育環境)、監護についての意欲・意思、心身の健全性等
◆子の事情、子の年齢、心身の状況、環境の継続性(同じ環境で安定して継続的に監護されていること)子の意思等
といった事情が挙げられます。

子どもを返してくれません

Q私たち夫婦はまだ離婚をしていません。だいぶ前に夫が家を出て、私が一人で子どもを育てていました。先日、別居していた夫が、面会後に子どもをそのまま連れていってしまい、そのまま子どもを返してくれません。子どもを取り返すにはどのような方法があるのでしょうか。

A一離婚していない場合、両親が共同で親権を有していますが、別居中は両親のいずれかが子の養育をせざるを得ません。

そのため、夫から子どもを引き渡してもらうためには、まず(1)子の監護者指定と(2)子の引渡しの審判を求めることが考えられます。虐待を受けている等、子に差し迫った危険がある場合のように、(1)と(2)の結果を待っていられない事情があれば、併せて③仮に子の引渡を求める審判前の保全処分を求めます。これらの審判又は仮の処分が出ても、相手方がその決定に従わない場合には、民事執行法に基づく強制執行が出来ます。ただし、子の意思に反して強制執行することはできないので、子どもが母親の元に行くことを嫌がった場合は、強制執行が不能になることもあります。

次に、人身保護請求の手続を用いることも考えられます。人身保護請求は、共同親権にある場合であっても、現在の監護者による子の拘束に顕著な違法性がある場合に利用できます。最高裁判所は、共同親権に服する場合について、「夫婦の一方が他方に対し、人身保護法に基づき、共同親権に服する幼児の引渡しを請求する場合において、幼児に対する他方の配偶者の監護につき拘束の違法性が顕著であるというためには、右監護が、一方の配偶者の監護に比べて、子の幸福に反することが明白であるということを要する。」と述べています。

例えば、子の引渡しを命ずる仮処分又は審判が出され、その親権行使が実質上制限されているのに、その処分等に従わない場合は、違法性が顕著であると判断されます。

子どもとの面会

Q親権がなければ離婚後は子どもに会えないのですか。

Aそんなことはありませんよ。
親権者ではない親が子どもに定期的に面会したり、電話やメールなどで交流することを「面会交流」といいますが、面会交流は、「親として有する固有の権利であり、人格の円満な発達に不可欠な両親の愛育を求める子の権利としての性格を有する」とする審判例もあり、子の福祉にとって障害となる事情(例えば、面会交流を求める親の子に対する虐待等)がない限りは、原則認められます。
当事者間の話し合いできちんと条件を定めて面会交流を実現していくことが最良ですが、それができない場合、家庭裁判所に面会交流を求める調停を申し立て、調停委員を介して、面会交流についての話し合いを進めることができます。

収入と親権

Q無職で収入がなくても、親権者になれますか。

Aはい、なれます。過去には親の経済力が重視されたこともありましたが、現在では親の経済力は親権者を決める際の考慮事情の一つに過ぎません。
自らの収入がなくても、親権者ではない親から養育費を受け取り、それでも最低生活費に満たない場合には、生活保護を受給するなどして、子を養育していくことが出来ます。
したがって、無職で収入がなくても、それだけで親権者になれないということはありません。

養育費について

Q養育費はどれくらいの額を、こどもが何歳になるまでもらえるのですか。

A養育費の負担義務者(親権者ないし監護者ではない親)がどれくらいの養育費の負担を負うかというのは、負担義務者の生活水準と同等の生活水準を未成熟子が維持するために必要かどうかで決まってきます。
実務上は、「養育費算定表」という裁判官や調査官が中心となって作成された表に基づいて、双方の収入を考慮して養育費の額が決められることが多いです。
また、養育費は、子どもが社会人として自活できるまでに必要な費用ということですから、基本的には成人するまで(20歳になるまで)もらえます。しかし、子どもが20歳になるまでに就職し自活した場合には、養育費をもらうことはできなくなります。逆に、大学に進学した場合などには、大学を卒業するまで養育費の支払いを延長することを、当事者間で合意することもできます。

養育費を払ってもらえない

Qすでに以前の調停で、一定の養育費の支払いについて合意しており、相手からは、調停条項通りにしばらく支払ってもらっていました。しかし、途中で支払いが止まりました。どうしたらいいでしょうか。

A相手が養育費の支払いをしてくれなくなった場合には、調停・審判をした家庭裁判所に履行勧告の申し出をして、裁判所から相手に連絡を取ってもらい、養育費をきちんと支払うように言ってもらうことができます。ただし、これはあくまでも勧告であり、強制力はありません。
そこで、強制力がある手段として、履行命令があります。調停・審判をした家庭裁判所に申し立て、十分な理由があると認められれば、きちんと支払うように命令が出て、正当な事由がないのに相手がその命令に従わない場合は、
10万円以下の過料に処せられるというものです。
また、相手の資産(預金口座等)や給与を差し押さえて、強制的に回収することもできます。

財産分与について

ローンの支払い

Q夫婦ふたりで購入した夫名義のマンションについて、オーバーローンになっています(マンションの価値:2000万円、残ローン:2600万円)。離婚後、私もローンを払わないといけないのですか。

A夫婦の資産が、残ローンからマンションの価値を引いた分以上ある場合
(本件ではマンション以外に600万円以上の資産がある場合とします)
婚姻生活中に婚姻生活を送るための不動産を購入するために負った債務は、夫婦が共同で負った債務といえます。
しかし、直ちに残ローンの半額を負担するということにはなりません。
マンション以外の財産が例えば1000万円あり、財産分与を行う場合には、不動産のオーバーローン分を考慮して分与します。
つまり、ご質問のケースでは、マンションが(2000万円-2600万円=)600万円のオーバーローンとなっています。

そこで、マンション以外の1000万円分の財産を分ける際、オーバーローン分を控除し、残りの400万円を夫婦共有財産の形成・維持に対する各自の貢献度に応じて分けることになります。現在では、通常は、夫婦双方に同程度の貢献度があると考え、夫婦共有財産を2分の1ずつ分けることが多いため、ご質問のケースでは、200万円ずつが各々の取り分となるでしょう。
夫婦の資産が残ローンからマンションの価値を引いた分以下の場合
(本件では、600万円以下の資産しかない場合)
マンション以外に財産がない場合、ご質問のケースでは、マンションには実質的な価値はないため、積極的な財産は存在せず、オーバーローン分の債務のみが夫婦が共同で負った債務として存在するということになります。

しかし、見解は分かれているものの、あなたが、残ローンの半額を負担しなければならないとなることは、現在の裁判実務においては、ほとんどありません。その理由としては、夫婦間で残ローンの負担割合を決めたとしても、金融機関等の債権者に対してはその効果が及ばず、問題を根本的に解決できないからであるといったことが言われています。

個人の貯金の扱い

Q別居後の個人の貯金は財産分与の対象になるのですか。

A原則として財産分与の対象にはなりませんが、場合によっては対象になることもあります。
財産分与は、夫婦が婚姻中に協力して形成した財産の精算という側面があります。
財産分与は、夫婦が婚姻中に協力して形成した財産の精算という側面があります。
別居中は共同で婚姻生活を営んでいる実態がなく、別居中に形成した財産は、夫婦が協力して形成したものとはいえないので、財産分与の対象にならないのが原則です。

ただし、婚姻中に貯金したお金を引き出して、別居後にあらためて個人の口座に貯金しなおした場合、そのお金は実質的には婚姻中に共同形成した財産を移し変えただけなので、財産分与の対象になります。

子ども名義の財産

Q離婚することになり、私(妻)が子どもの親権をもつことになりました。私は、子どもの教育費などのために、子ども名義で貯金をしていました。その額もけっこう大きいです。子どもは小さいので、今後は教育費等のためにこの預金を使っていこうと思っています。子ども名義の財産は財産分与でどう扱われるのですか。

A預金されているお金が誰のものかどうかで、財産分与の対象になるかどうかが決まります。
子どもに対する出産祝い金や入学祝い、子どものお年玉などは、そもそも子ども固有の財産なので、夫婦が共同生活中に形成した財産とはいえません。したがって、この分を預金したものは、財産分与の対象になりません。
夫婦が子どもの将来の教育資金または結婚資金のために、夫婦の収入の一部を積み立てて預金していた場合は、夫婦が共同形成した財産を預金したものですから、原則、財産分与の対象になります。しかし、両親が合意の上で子どもの将来の教育費や結婚資金のために預金している場合などは、そのお金は子どもに対して贈与されたもの、つまり子どもの固有の財産となり、財産分与の対象にならないことがあります。

妻が夫に黙って、夫の収入の一部を子どものために預金していた場合は、単に夫婦の収入の一部を積み立てているものとして扱われ、財産分与の対象になる可能性がかなり高いといえます。

財産分与と税金

Q財産分与に税金はかかりますか。

A原則として、離婚により相手方から財産を分与してもらっても、贈与税がかかることはありません。財産分与は、相手方から贈与を受けたというものではなく、夫婦の財産関係の清算や離婚後の生活保障のための財産分与請求権に基づき給付を受けたものと考えられるからです。
これに対して、土地や家屋などを財産分与したときには、分与した人が分与した財産を譲渡したこととなり、譲渡所得の課税対象となります。
ただし、次のいずれかに当てはまる場合には、贈与とみなされて、贈与税がかかります。

(1)分与された財産の額が婚姻中の夫婦の協力によって得た財産の額やその他すべての事情を考慮してもなお多過ぎる場合
この場合は、その多過ぎる部分に贈与税がかかることになります。ただし、平均的な金額と比較して高いからといって、ただちに多すぎる評価されるわけではありません。
多すぎるかどうかは、離婚に至る経緯、双方の資産状況、有責性、扶養の必要性、それぞれの夫婦が置かれた立場、条件等により判断されます。

(2)離婚が贈与税や相続税を免れるために行われたと認められる場合
この場合は、離婚によってもらった財産すべてに贈与税がかかります。

慰謝料について

離婚相手に対する慰謝料の請求

Q離婚の際に慰謝料がもらえる場合があると聞きました。どのような場合ですか。相場はどれくらいですか。また、慰謝料が請求できるのはいつまでですか。

A離婚に伴う慰謝料請求は、不法行為に基づく損害賠償請求なので、慰謝料を請求するためには、相手方配偶者に有責性があることが必要です。具体的には、配偶者に不貞行為、暴力、悪意の遺棄があった場合に有責性が認められます。配偶者が通常の性的関係を持てない場合に認められた例もあります。
慰謝料の額は、配偶者にどれだけ責任があるのか、婚姻期間、配偶者の資力などを総合的に考慮して決定されるので、事案によって異なります。

慰謝料請求権は、不法行為に基づく損害賠償請求権なので、民法724条に基づき、3年の消滅時効にかかります。したがって、離婚が成立した日から3年以内に請求する必要があります。

不倫相手への慰謝料の請求

Q夫の不倫が原因で離婚となった場合、私は夫の不倫相手に対し慰謝料を請求できますか。

A平穏な婚姻関係を維持していた夫婦の一方の配偶者と肉体関係(不倫関係)を持った第三者は、夫婦のもう一方が被った精神的苦痛を慰謝するための慰謝料を支払う義務が生じます。したがって、夫婦関係がすでに明白に破綻している場合は別として、不倫相手に対する慰謝料の請求は認められます。

なお、不貞行為の相手方に対する慰謝料請求は、夫に対する離婚慰謝料請求の場合と異なります。離婚後から3年ではなく、同棲関係などの不貞行為を知ってから3年とするという判例があります。

その他

外国籍の場合

Q結婚相手が外国籍なのですが、日本で離婚の調停や裁判ができますか。

A一方が日本人の夫婦で、日本で生活していた場合は、日本人同士の場合と同じように考えていいでしょう。すなわち、調停、訴訟の手続で特に別扱いはありません。
ただ、外国人の方が外国へ出国していたりすると、実際調停は困難でしょうし、訴訟の場合にも日本の裁判所で行えるかどうかは、場合によって違ってきます。

外国人同士の夫婦の場合は、被告の住所地を管轄する裁判所が管轄権を有しますが、(1)原告が遺棄されたものである場合、または(2)被告が行方不明である場合、(3)その他これに準ずる場合は、被告の住所が日本になくても、原告の住所が日本にあるときは、日本で裁判することができます。

夫の暴力から逃げたい(DVからの避難)

Q私には、子どもが一人います。夫から毎日のように暴力を受けており、身の危険を感じています。夫に知られずに逃げたいのですが、頼れる人もおらず、どこに相談すればいいかわかりません。また、夫から逃げた後、夫が私に近づかれないようにする方法はありますか。

A(1)夫に知られずに逃げる方法

夫に知られずに逃げたい場合、配偶者暴力相談支援センター、市区町村役場、福祉事務所もしくは警察に保護を求め、緊急一時保護施設(シェルター)に避難できるように手配してもらいます。各機関はそれぞれ連携しているので、どこかに連絡すれば、適切な保護を受けられるようになっています。民間のシェルターであれば、直接連絡してすぐに入居できることもあります(ただし、利用料が発生します)。
なお、一時保護施設の利用は、2週間程度と限られているので、その後については、配偶者暴力相談支援センターや様々な関係機関によるサポートを受けて生活の再建を目指します。今後の生活再建のためにも、家を出るときは、現金、あなたや子ども名義の預金通帳、印鑑、健康保険証、その他身分証明になるものを可能な限り持って出るようにしましょう。

なお、公的な一時保護施設の場合、小学生以上の男子のお子さんについては、母親とともに入居できないため、児童相談所の一時保護施設で生活することになります。

(2)避難後の安全確保

裁判所から保護命令を得て、安全を確保します。保護命令とは、配偶者の暴力から被害者の生命・身体を守るため、裁判所が、被害者の申立てにより、一定期間、加害者を被害者から引き離すために発する命令をいいます。

保護命令の内容としては、接近禁止命令(つきまといや住居・勤務先付近の徘徊を禁止)、退去命令(被害者とともに生活している住居からの退去を命ずる)、子、親族等への接近禁止命令、電話・メール等禁止命令があります。
保護命令は、相手方の住所、申立人の住所又は居所の所在地を管轄する地方裁判所に申し立てます。申立てから発令までの期間は平均12〜13日であり、手続きの迅速性が図られています。

保護命令が認められるためには、配偶者から、配偶者からの身体に対する暴力(刑法上の暴行罪、傷害罪に当たるような行為)又は生命等に対する脅迫を受けたことと、配偶者からの更なる身体に対する暴力により、生命又は身体に重大な危害を受けるおそれが大きいことが必要です。また、保護命令が認められるためには、事前に配偶者暴力支援センターもしくは警察へ相談していることが必要です(電話相談では足りません)。

離婚協議書について

Q離婚するときに、条件について様々な合意をしました。協議書を作るとき、公正証書にした方がいいのですか。

A公正証書のメリットは、(1)強制執行認諾文言をつけた場合、訴訟を提起して勝訴判決を得なくても強制執行ができる点、(2)少なくとも20年間は公正証書の原本が公証役場に保存されるため、紛失する心配がない点、(3)公文書として扱われるため、民事訴訟法上真正に成立した公文書と推定され、裁判で成立の真正について争いになりにくい点が挙げられます。
デメリットとしては、(1)作成に公証人が関与するため、作成手続等に時間を要する点、(2)手数料などの費用がかかる点、(3)公正証書作成のためには証人2名が必要であり、秘密性が保たれない点が挙げられます。
公正証書にするかどうかは、これらのメリット・デメリットを考慮して判断します。例えば、養育費、財産分与、慰謝料など金銭の支払いに関する条項を定める場合で、相手方の任意の支払いが期待できない場合などは、支払いが怠った場合に迅速に強制執行手続を取れるよう、公正証書にした方がよいでしょう。

年金分割とは

Q離婚時の年金分割とはどのような制度ですか。

A1.制度について

平成19年4月1日以降に離婚した場合に、婚姻期間中に支払われた厚生年金・共済年金の一部分を夫婦で分割するという制度です。
年金には、基礎年金部分と、その上乗せ分の厚生年金・共済年金(公務員)部分があります。基礎年金は、1号被保険者(自営業、2号及び3号被保険者以外の方)、2号被保険者(厚生年金、共済年金に加入している方。サラリーマンなど)、3号被保険者(2号被保険者に扶養されている配偶者)が必ず加入しています。上乗せ部分は、2号被保険者が加入しているものです。

サラリーマンは、2号被保険者なので、上乗せ部分をもらうことができます。しかし、主婦は3号被保険者となるので、離婚して年金分割がされなかった場合は、基礎年金部分しかもらうことができません。上乗せ部分は、夫婦で共同して形成した財産といえます。そこで、きちんと分けましょうということで年金分割制度ができたのです。
分割方法には2種類あります。
一つは、(1)離婚分割制度といって、夫婦の合意や裁判で分割割合を決定する方法です。二つ目は、(3)3号分割制度といって、合意や裁判で分割割合を決めなくても、強制的に分割割合を2分の1とする制度です。
なお、企業年金は年金分割制度の対象となりません。

2.分割請求の手続き

(1)離婚分割
年金事務所において、「年金分割のための情報提供請求書」という書類を提出し、年金情報が記載された「年金分割のための情報提供通知書」を入手します。
話し合いや家庭裁判所における調停・審判・裁判において按分割合を決めます。
離婚成立後、年金事務所に「標準報酬改定請求書」という改定請求書類を提出して分割手続きをとります。※一人で提出することもできます。
「標準報酬改定請求書」を提出した後、「標準報酬改定通知書」が届いて、年金分割が行われたことを通知してくれます。

(2)3号分割
年金事務所に年金手帳と夫婦双方の戸籍を持参し、請求の手続きをとります。離婚分割と違い、年金分割のための情報提供通知書を入手する必要はありません。
※3号分割制度はあくまでも平成20年4月以降の婚姻期間の部分を分割するものですから、婚姻期間が長い場合は、この制度を利用しても分割される額は少なくなります。

3.請求期限

原則、離婚をした日の翌日から2年以内です。

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