取扱業務

刑事・少年

逮捕・勾留について

夫が逮捕されました

Q今朝、私の自宅が捜索され、夫が覚醒剤を持っていたとして現行犯逮捕されました。今後、夫はどうなるのでしょうか。また、私でも弁護士さんに依頼することができるのか、依頼した場合にはどんなことをしてもらえるのか教えて下さい。

A逮捕されたご主人は「被疑者」と呼ばれます。被疑者本人はもちろん、奥さんをはじめ家族の方も弁護士を依頼(選任)することができます。
警察は逮捕された被疑者を48時間以内に検察庁に送致し、検察官は24時間以内に勾留するか釈放するかを決めなければなりません。勾留期間は10日間、さらに10日以内の勾留延長が認められるので、身柄拘束の期間は逮捕から勾留まで最長で23日間に及びます。勾留期間が満了するまでに、検察官が被疑者を起訴するかどうかを決定することになります。
長期間の身柄拘束により、被疑者は肉体的にも精神的にも疲れ果て厳しい取り調べに対して嘘の自白をさせられることもあります。弁護人は被疑者と警察官等の立会なくして面会することができるので、黙秘権等の権利について説明し、事実関係についての聴取を行い、不当な身柄拘束対する異議申立をしたり、被害者と示談を成立させるなどの活動をします。
家族も、被疑者と面会したり、着替えや本、食べ物等を差し入れることができますが、面会は捜査側の都合により思うようにできないことも多く、面会できても立会人が付き時間も制限されるので肝心な話ができない場合もあります。したがって、弁護人は事件の内容以外にも、仕事や健康のことなど、被疑者と家族が心配する事柄について、両者を結ぶ重要な役割も果たすことになります。

逮捕後の接見について

Q逮捕された夫に会おうとすると「接見禁止」で会えないと言われました。どうすることもできないのでしょうか。

A被疑者が犯罪事実を否定している場合や、組織的犯罪が疑われる場合、ほかに共犯者がいる場合などに面会によって証拠の隠滅や共犯者間の口裏合わせの指示がなされるおそれがある場合に、「接見禁止」といって面会を禁止されることがあります。

ただし、「接見禁止」の場合でも、弁護人は接見することができます。
また、弁護士は場合によっては接見禁止決定に対する不服申立をしたり、接見禁止の一部解除の申立てをして家族が面会できるよう努力をします。

不起訴処分とは

Q不起訴処分とは何ですか。

A刑事事件の容疑者は必ず起訴されるとは限りません。検察官は公訴を提起しない処分(不起訴処分)をすることができます。
捜査の結果、犯罪の嫌疑がないとか犯罪の成立を認定するには証拠が不十分な場合などは嫌疑不十分として不起訴になります。また、犯罪の成立を認定するのに十分な証拠はあるが、被疑者の性格、年齢、境遇・犯罪の軽重、情状や犯罪後の状況などにより検察官が起訴する必要がないと判断した場合は起訴を猶予して不起訴とすることがあります。

起訴後の手続きについて

成人の起訴後の手続きの流れ

Q成人の場合の、起訴後の手続きの流れを教えて下さい。

A起訴された時点で身体拘束を受けている(勾留されている)場合には、そのまま身体拘束(勾留)が続きます。勾留期間は、起訴日から2か月間ですが、その後も必要があれば、1か月ごとに更新されます。身体拘束を解いてもらいたい場合には、保釈請求を行います。(認められる確率は高くはありませんが、勾留の取り消し請求という方法を取ることも考えられます。)

起訴から1か月ほど後に第1回公判(裁判)が開かれます。起訴事実を認めている場合には、1回だけで審理が終了し、あとは判決の日を待つだけということもあります。起訴事実を争っている場合には、証人尋問(証人から法廷で直接話を聞く手続き)などが行われるため、複数回公判が開かれた後に判決の日を迎えることが多いです。

刑事裁判について

Q兄が業務上横領で起訴され、刑事裁判を受けることになりました。起訴後は弁護人にはどのようなことをしていただけるのでしょう。

A被疑者が起訴されると起訴後は「被告人」と呼ばれます。起訴前から勾留されていると起訴後も勾留が続きます。その場合、起訴後には保釈といって、身柄の釈放を請求することができます(詳しくは後述)。
次に起訴後第一回公判までの間に、どういう方針で公判にのぞむのか決めておかねばなりません。起訴された事実を認めるのか、争うのか、これが根本問題です。事実を認める場合には被告人に有利な事情やその証拠の準備をします。争う場合には関係者に会って事実確認したり、争う材料を収集します。いずれの場合でも、警察や検察が作成した調書など捜査記録を閲覧、謄写してこれをよく検討し、最善の方針を本人や親族らと協議し、第一回公判期日にのぞみます。

第一回公判期日には、起訴事実についての意見を述べ、検察官が取調べ請求をする証拠についての意見を述べることになります。事実関係に争いのない比較的軽微な事件の場合には、検察官の提出する証拠の取調べが済んだ後、親族などの情状証人をその場で採用してもらい、一回の期日だけで審理を終了させるように努力する場合もあります。事実関係に争いがなくとも、裁判官に被告人の言い分や被告人に有利な事情を十分考慮して判断してもらえるよう努力します。争いのある事案の場合には、弁護人は検察側の証人に対する尋問などを通じて反証をしていくことになります。
証拠調べが終ると検察官が論告、求刑、弁護人は弁論という形で双方が裁判所に意見を申し述べ、裁判所は論告や弁論を参考にして判決を下します。

保釈について

Q保釈とは何ですか。保釈が認められるのはどのような場合ですか。

A保釈とは、住居の限定や保証金の納付を条件に勾留されている被告人の身柄を解放する制度です。
保釈中は就労や通学など従前どおりの社会生活を送ることができます。
保釈には(1)権利保釈、(2)裁量保釈、(3)職権保釈という3つの種類があります。
権利保釈とは、重大犯罪に該当せず、証拠隠滅のおそれがなく、 住居不定ではない場合など一定の要件を充たせば認められる保釈です。
裁量保釈とは、権利保釈に該当しない場合でもさまざまな事情を考慮して保釈が相当であると裁判所が判断した場合に認められるものです。

保釈金の相場

Q保釈金の相場はいくらくらいですか。

A 「保証金額は、犯罪の性質及び情状、証拠の証明力並びに被告人の性格及び資産を考慮して、被告人の出頭を保証するに足りる相当な金額でなければならない。」とされています。
150万円から300万円の範囲内で定められることが多いです。

執行猶予について

Q執行猶予とは何ですか。

A執行猶予とは、判決で懲役○年と言い渡されても、「ただし、この判決が確定した日から○年間刑の執行を猶予する」という形で言い渡されるもので、被告人に直ちに刑が執行されるのではなく、執行猶予の期間に問題を起こさずに無事に過ごせば刑の言渡しが効力を失い、その刑に服する必要がなくなります。

他方、執行猶予の期間中に別の犯罪を犯した場合などには執行猶予が取り消されることがあり、懲役刑に服役しなければならなくなります。

弁護人について

国選弁護人と私選弁護人

Q国選弁護人とは何でしょうか。私選弁護人とは何が違うのですか。

A刑事事件の手続において、被疑者・被告人のためにさまざまな弁護活動を行う弁護士を「弁護人」と呼びます。この弁護人は「私選弁護人」と「国選弁護人」に分けられます。
国選弁護人とは、文字通り国(裁判所)が選任する弁護人です。
起訴前の被疑者段階での国選弁護人を被疑者国選弁護人、起訴後の被告人段階での国選弁護人を被告人国選弁護人といいます。

起訴前は、「法定刑が死刑又は無期若しくは長期3年を越える懲役若しくは禁錮に当たる事件」について被疑者が勾留された場合には被疑者国選弁護人の選任が可能です。

具体的には、殺人、強盗致傷、覚せい剤取締法違反、大麻取締法違反、強制わいせつ、強盗、強姦、児童買春、児童ポルノ、 道路交通法違反(飲酒運転など3年以上の懲役になる可能性のあるもの)、 窃盗、傷害、業務上過失致死、詐欺、恐喝などが被疑者国選事件の対象になります。

痴漢や盗撮などでも迷惑防止条例違反、暴行、器物破損などは、対象事件にあたらないので被疑者国選人をつけることはできません。また、在宅事件も対象とされていません。
起訴後、被疑者段階で国選弁護人が選任されていない場合でも、「法定刑が死刑又は無期若しくは長期3年を超える懲役若しくは禁固に当たる事件」など一定の事件については、私選弁護人が付かなければ必ず国選弁護人が選任されますし、そうでない場合でも無資力の被告人が請求すれば国選弁護人が選任されます。被告人が未成年者や70歳以上の高齢者の場合にも裁判所が職権で国選弁護人を選任します。

私選弁護人とは、被告人・被疑者や家族が自分で費用を負担して自分で選任する弁護人です。一定の犯罪の場合に限られず、逮捕段階からでも就任することができます。

国選弁護人の費用

Q国選弁護人がついたら、お金がかかるのですか。

A弁護人から報酬や費用を請求されることはありませんが、国に対して支払を命じられることがあります。無罪判決が出た場合、訴訟費用(弁護士費用)はかかりません。有罪の場合には原則として訴訟費用はかかりますが、被告人に資力がない場合など裁判官の判断で負担を命じられない場合があります。

未成年の事件について

子どもの犯罪

Q子どもが犯罪を犯した場合はどうなるでしょうか。

A少年が犯罪を犯すことによって加害者となる場合があります。未成年者が犯罪を犯した場合は、成人のように刑事手続によって裁かれるのではなく、少年事件として家庭裁判所で審判されることになります。

成人の場合は犯罪者には刑事罰として死刑、懲役、禁固、罰金等がありますが、少年審判の場合は少年院送致、保護観察などがあります。成人の事件とは異なり、少年審判の場合は非行少年が二度と過ちを繰り返さないためにいかに更正させるかに重点をおいて、家庭裁判所調査官などの専門家が少年の性格の問題点や生育環境などについて調査、検討した上で処分を決めます。少年の抱える問題が大きい場合には、たとえ軽微な犯罪を犯した場合であっても、長期間少年院に収容されることもあり、単純に少年審判の方が軽いということはできません。

少年審判では、少年に自分の犯した罪の大きさや被害者の痛みを自覚させるための働きかけが続けられます。少年は周囲の大人の愛情が伝わればちょっとしたきっかけで見事に立ち直ることがあるという特性があり(少年の可塑性といいます)、このような方法で多くの少年の立ち直りを実現しています。

ただし、年長の少年が重大な犯罪を犯した場合など家庭裁判所が成人と同様に刑事処分に付した方がよいと判断した場合には、事件を再度検察官に送致し、検察官が起訴すると刑事裁判が行われ、成人と全く同じ扱いがなされることになります。

少年事件の流れ

Q15歳の子どもが逮捕されてしまいました。少年事件の流れを教えて下さい。

A逮捕から72時間以内に「勾留に代わる観護措置」が取られます。この措置によって、10日間を限度として、少年鑑別所での身体拘束が続きます。この間に警察による捜査(子ども本人に対する取り調べや関係者の取り調べ、その他裏付け捜査等)が行われます。子どもの年齢が高い場合には「勾留」されることもあります。この場合10日間の勾留に加えて最大10日間勾留延長されることがあります。

その後、みなし観護措置決定がなされ、最大4週間、少年鑑別所での身体拘束が続きます。子どもは、この間に、鑑別所での心身鑑別を受けるとともに、家庭裁判所の裁判官により命を受けた家庭裁判所調査官によって事件を起こした背景(家庭環境、交友関係等)や反省状況等について調査されることになります。

そして、みなし観護措置決定から4週間以内に、家庭裁判所での審判を受けることになります。この審判において、お子さんの処分が決定します。

少年審判の流れ

Q少年審判の流れはどういったものでしょうか。

A少年審判は、家庭裁判所内の少年審判廷という小さな部屋で開かれます。少年審判に出席するのは、裁判官(審判官)、書記官、調査官、付添人(付添人が付いていない場合もあります)、少年、少年の関係者(両親等保護者、学校の先生等)です。成人の刑事事件のように、公開の法廷で開かれるわけではありませんので、一般の傍聴人はいません。

少年審判が始まると、最初に、少年が起こしたとされている事件の内容が本当に存在したのか確認するところから始まります。裁判官は警察官・検察官が収集した証拠を精査した上で、少年に事実の確認をします。
その上で裁判官が、少年が本当に事件を起こしたと判断した後は、少年に対してどのような処分が適当であるか判断するために、少年に対して様々な質問をして「なぜ少年が事件を起こしたのか」、「少年は審判までに十分反省したのか」などを確かめます。少年の保護者の思いも聞きます。そして、最終的に、裁判官が少年に対する処分を言い渡すことになります。
審判では、少年が事件について特に大きく争っていない場合には1回で終了することがほとんどです。

少年審判での処分の内容

Q少年審判で裁判所が出す処分の内容について教えて下さい。

A少年審判で言い渡される処分としては、(1)不処分、(2)保護観察処分、(3)児童自立支援施設送致処分ないし少年院送致処分の大きく3種類の処分が挙げられます。

一つ目の「不処分」は、文字通り、当該審判では何らかの処分をしないということです。不処分とされるケースというのは、ケースバイケースですが、少年が今回事件を起こすまでに非行を繰り返してきたわけではないこと、今回の事件がそれほど重大な結果とならなかったこと、少年本人が審判までに心から反省したと見受けられること、今後少年の保護者が少年と一緒に事件のことを忘れないように考え続けることを期待できることなど様々な事情を総合的に考慮して決められます。

二つ目の保護観察処分を受けた場合には、少年は、一定期間、「保護司」という人の元に定期的に通い、日常生活を見直す機会を持つことになります。保護観察処分には、「長期」と「短期」があり、少年の状況に応じて、裁判所によって選択されることになります。

三つ目の児童自立支援施設送致処分ないし少年院送致処分というには、大まかに言えば、少年が一定期間施設に収容される処分です。児童自立支援施設は、比較的低年齢でかつ家庭的な擁護を必要としている少年が収容される施設です。少年院は、少年が、規則正しい集団生活を送り、定められた課程をこなす等の矯正教育を受け、更生を果たすために収容される施設です。

なお、中間処分として、「試験観察」処分も用意されています。少年が試験観察処分を受けると、数か月間、少年は裁判所の監督の元に置かれ、調査官によって定期的に生活状況、反省状況等を確認されます。少年が試験観察の期間、大きな問題なく過ごすことができれば、再度審判を受け、少年には保護観察処分等が言い渡されることになります。

付添人とは

Q付添人とはどのような人ですか。

A付添人とは成人の刑事事件に置き換えれば「弁護人」のような存在です(ほとんどの場合、弁護士が付添人に就任します。)。少年審判までの間、少年に寄り添い、少年に様々な働きかけをすることによって少年に真の反省を促すとともに、少年の言い分や反省状況等を裁判所に正確に伝える役割も果たします。

成人の場合は犯罪者には刑事罰として死刑、懲役、禁固、罰金等がありますが、少年審判の場合は少年院送致、保護観察などがあります。成人の事件とは異なり、少年審判の場合は非行少年が二度と過ちを繰り返さないためにいかに更正させるかに重点をおいて、家庭裁判所調査官などの専門家が少年の性格の問題点や生育環境などについて調査、検討した上で処分を決めます。少年の抱える問題が大きい場合には、たとえ軽微な犯罪を犯した場合であっても、長期間少年院に収容されることもあり、単純に少年審判の方が軽いということはできません。

被害者がいる場合には被害者への働きかけ(少年の謝罪の意を伝える、被害弁償を申し入れる、示談交渉をする等)を行ったり、少年と保護者との関係が良好でない場合に調整を行ったりすることもあります。時には、少年に引受先がない場合には、少年が身を寄せられる場(住み込みの雇用先等)を探したりもします。

鑑別所とは

Q鑑別所とは、どのような所ですか。

A鑑別所とは、逮捕・勾留期間(警察・検察による捜査の期間)を終えた少年が、家庭裁判所に送致されると収容されるところです。(場合によっては、鑑別所には収容されず、在宅の事件となることもあります。)
鑑別所では、鑑別所の職員である技官が、医学、心理学、教育学、社会学その他の専門的知識に基づいて、少年の資質の鑑別を行います。例えば、少年の知的なレベルはどれくらいなのか、どのような性格を持ち合わせているのか、それらが事件にどのように影響しているかなどを見極めます。

鑑別所での鑑別の結果は、裁判所がどのような処分が適当か判断する際の重要な資料となります。
少年が鑑別所に収容される期間は原則として4週間です(法律上は2週間で、さらに鑑別の必要がある場合には2週間の更新ができることになっていますが、運用の実態としては、更新されるのが常態となっています。)
なお、兵庫県内には、鑑別所は神戸少年鑑別所1ヶ所しかありません。

鑑別所での面会

Q子どもが鑑別所にいるのですが、家族や友達は面会に行けるのですか。

A家族が鑑別所に面会に行くことはできます。友達は原則は面会できません。ただし、家族の場合でも、面会ができる時間帯は決められていますので、その時間帯に面会をしなければなりません。また、一回の面会時間は約15分ですし、一日に面会できる人数も制限があります。

鑑別所からの外出について

Q高校3年生の息子が事件を起こしてしまい、逮捕され、家裁送致もされて、今鑑別所にいます。審判の日までに、とても大切な就職面接があり、それを受けるためにこれまで一生懸命やってきました。子どもが審判前に鑑別所から出る方法はあるのでしょうか。

A「観護措置の取り消しを求める上申書」を提出し、家庭裁判所の裁判官に働きかけること方法が考えられます。
観護措置を取る必要性が低く、かつ、観護措置を取ることによる弊害が大きい場合に、観護措置の取り消しが認められ、審判前に鑑別所から出られることがあります。ただし、確率としては決して高いとは言えません。息子さんの今後の更生にとって、就職面接を受けることが極めて重要な鍵となるのであれば、その事情を家庭裁判所に対して強く訴えて、観護措置の取り消しを認めてもらうようにすべきでしょう。

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