残業代の請求(役職と時効)

Q  私は、部長になって5年間、毎日残業をしていますが、会社から残業代を支払ってもらえません。この前、会社に残業代を請求したところ、会社からは、管理職だから残業代を支払う必要はないと言われました。(1)私は残業代をもらえないのでしょうか。(2)また、残業代は5年前にさかのぼって請求できるのでしょうか。

A  (1)管理職の残業代
部長という肩書きがつけば、直ちに残業代を支払わなくてもよいということはありません。

法律で定めている残業代を支払わなくてもよい「管理監督者」(労働基準法41条)は、労働条件の決定その他労務管理について経営者と一体的立場にある者をいうとされており、職務内容、責任、権限、勤務態様という実体面、基本給や役職手当等にふさわしい待遇の有無等を考慮して実体に即して判断されます。

部長という肩書きがあっても、経営方針に参画する立場になく、従業員の採用権限がない、勤務時間に裁量もなく、給料も多いとはいえないという方は、管理監督者に当たらず、残業代がもらえる可能性があります。

「管理監督者」に当たるかどうかは、具体的事情から判断しなければならないので、お困りの際には弁護士にご相談下さい。

(2)残業代の時効
労働基準法上、残業代等の賃金に関しての請求権は、2年間の消滅時効にかかる(労働基準法115条)ため、消滅時効の中断が無い限り、5年前にさかのぼって請求することは難しいかもしれません。2年間に限り残業代の請求が可能です。

消滅時効の中断とは、それまで経過した時効期間が全て効力を失うものです。たとえば、あなたの例でいくと消滅時効の中断があると、消滅時効が成立するのが、中断事由があったときから、さらに2年後となります。

消滅時効の中断事由としては、裁判上の請求、承認(民法152条)等があります。

単に会社に請求するだけでは、裁判上の請求とはいえず、時効は中断しません。請求から6ヶ月以内に裁判所に提訴することなどが必要です。

残業代請求をお考えの際には、是非お早めに弁護士にご相談下さい。

解雇等について

一方的に解雇された

業績悪化による解雇

雇用保険(失業保険)について

雇止めの問題

傷病休暇の扱い

残業代について

残業代の請求(訴訟)

残業代の請求(役職と時効)

残業代の他に請求できるもの

給与と残業代の区別

残業代と残業命令について

労災について

精神疾患と労災

個人事業請負と労災

その他の請求について

セクハラの賠償請求

退職金がもらえなかった

手続きについて

解雇の裁判手続き

労働審判