葬儀費用について

Q  両親が亡くなりました。相続人は長男の私と次男、長女の3人です。法定相続分は3分の1ずつということは知ってはいますが、私が葬儀で喪主を務め、今後はご先祖様から承継した墓を守って、両親の法事も主宰しなければならず、弟や妹と比べて出費がかさみます。3分の1ずつというのは不公平のように思います。何とかなりませんか。

A  第二次大戦での敗戦までは家制度のよる戸主相続制があり、基本的には「家を継ぐ」長男が親の遺産を相続すると共に祭祀も執り行うことになっていました。しかし、その結果が、長男以外は家を出なければならず、分家や嫁入りができるのはいいほうで、丁稚奉公に出されたり、女郎屋に売られたり、「ちゃんとご飯が食べられる兵隊さんになろう」と言った具合に、軍国主義の基礎となっていました。

そこで、日本国憲法とその下の法律では、家制度をなくし個人の尊厳を第一にし、相続と祭祀とを峻別し、相続では兄弟姉妹の平等分割といったシステムに変えたのです。しかし、現実には、「○○家と△△家との結婚式」とか「○○家の葬儀」というふうに家制度の残滓があり、特に農家では農地を分割したのでは共倒れになる危険があり、ご質問のようにむしろ跡継ぎと言われる長男の方が損をしているというのが実感かもしれません。

しかし、どのような(贅沢なあるいは質素な)葬儀にするかは喪主である貴方が決めることですし、法事も必ず主宰しなければならないというものでもありません。その原則から考えれば、勝手に長男が決めたことの負担を兄弟姉妹に求められるのも兄弟姉妹にとって心外だとも言えます。

やはり、現実の中でどう公正な解決を図れるかが問われていると思います。念のためにいっておきますと、法定相続分(この場合は3分の1ずつ)というのは必ず守らなければならないルールではありません。

現在では、通夜、葬儀(告別式)、「焼き場」、初七日を一連の行為としている場合が多いようです。また、葬儀費用は遺産から支弁して好いとの最高裁判例もあります。そこで、神戸家裁の遺産分割の調停では、対立のある場合には、(通夜と葬儀(告別式)と連続した初七日の費用-香典)を遺産から支弁する、逆に言えば、香典返しの費用や初七日より後の四十九日・初盆・一周忌等々の費用は祭祀承継者の負担(参加者がお供えをされるのを不要というものではありません)とすることで調整を図っています(強制ではありません)。

遺産分割について

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