事務所ニュース

◆バックナンバー


事件報告 借上復興住宅強制退去訴訟提起の暴挙

2017新年号事務所ニュースより

弁護士 佐伯雄三

かねてお知らせしているとおり、西宮市営のシティハイツ西宮北口、神戸市営のキャナルタウンウエスト1ないし3号棟の入居者に対する明け渡し請求の訴訟が、次々と提起されています。

平成8年8月に公営住宅法が改正され「借上住宅」が制度化されましたが、改正法施行前の住宅には、借地借家法が適用され単に「期限」が来たからといって明け渡しを求めることははできません。「正当理由」が必要です。施行後の住宅には、改正法が適用されますが、その場合にも当該住宅には定まった期限があること、期限到来後は退去しなければならないことを事前に通知する必要がありますが、いずれの自治体も、改正前の住宅も改正後の住宅も、事前の通知は必要ない、「借上期限が満了」すれば明け渡しを求めることができるんだ、と主張しています。神戸市からは、学者2名の意見書、私たち入居者側からも学者1名の意見書が、それぞれ証拠として提出されましたが、私たちが提出して学者意見書においては借地借家法の適用があり正当事由が必要だが、正当事由は、神戸市がURに支払っている賃料と入居者が神戸市に支払っている賃料の差額を支払わない限り満たされないとしています。

神戸市は、次から次へと「期限」が到来する借上住宅について、提訴をしていく方針を変えてはいません。何としても、世論の力に訴えて、入居者が継続して住めるように、皆さまのご支援をお願いいたします。神戸市、西宮市あての署名も集めておりますので、神戸あじさい法律事務所のホームページから署名用紙をお取りいただき、集めていただければありがたいです。


事件報告 有楽名店街の灯を消さないで!!

2017新年号事務所ニュースより

弁護士 増田正幸

最近は「エキナカ」と言って駅構内におしゃれな店がたくさんできています。

阪神元町駅の東口と西口の改札の間には元祖エキナカと言える「有楽名店街」(以下「有楽街」といいます)があります。1947年に開設され、居酒屋、スナック、理容店など30数店舗が営業しています。足を一歩踏み入れるとそこはなつかしさと暖かさのこもった昭和レトロの世界です。ところが、貸主である阪神電鉄は有楽街の閉鎖を決定し、現在、各店主に店舗の明渡しを求めて訴訟になっています。

その訴訟の争点の1つが「定期借家権」が成立したのかどうかということです。

定期借家権というのは「良質な賃貸住宅等の供給の促進に関する特別措置法」(平成13年施行)によって創設されたもので「契約で定めた期限がくると契約が必ず終了する借家契約」です。普通の賃貸借契約の場合、契約期間満了後、入居者が使用を継続している場合は、法により自動的に契約が更新され、家主が契約更新の拒絶をするためには、「正当事由」が必要となりますが、定期借家権の場合は、契約期間が満了すれば「正当事由」の有無に関係なく、契約が終了し、更新されることはありません。家主は「正当事由」を気にせずに、契約が満了しさえすれば無条件に立ち退いてもらえるし、賃貸借契約を続けたければ「再契約」すればよいので、家主には魅力的な制度です。反面、定期借家権の賃借人の権利は弱くなるので、法は定期借家契約を締結する場合は、「あらかじめ」契約とは別に「契約の更新がなく、期間満了により賃貸借が終了すること」を記載した説明用の書面を交付した上で説明しなければならないという厳重な要件を課しています。

有楽街の店舗賃貸借の多くはもと普通賃貸借であったのが契約期間を1年とする定期借家契約に切り替えられているのですが、借家人は普通賃貸借と定期賃貸借の相違を全く理解していません。長年の間、一年毎に「再契約」が繰り返されてきましたが、これを契約の「更新」と理解していたのです。誰が、お店をするのに1年限りの契約をするでしょうか。借家人のみなさんは営業を守るため、有楽街を守るために定期借家契約の成立を争っています。


三田事務所だより

2017新年号事務所ニュースより

弁護士 前哲夫

私たち神戸あじさい法律事務所が法人化して三田に事務所を設けるための基礎を築かれたと言っても過言でない川東誠市さんが、昨年8月25日に88歳で逝去された。

川東さんは、国労組合員から、三田市最初の共産党市会議員として活躍され、私たちの事務所の前身である神戸総合法律事務所にパートで働かれた後、三田に戻って「暮らしと権利を守る三田友の会」を創設して終生事務局長を努められた。独力で行政書士・宅地建物取引業者の資格を取られ、川東総合事務所を開設しながら三田民主商工会会長なども努められた。スナックのカラオケが好きで、歌われるのは軍歌。晩年は、耳が遠くなられたが、病床にありながらも「暮らしと権利を守る三田友の会」のことを常に気にかけていただいた。

改めて、ご冥福をお祈りしたい。


過労死シンポジウムに参加して −過労死防止に向けての取り組み−

2017新年号事務所ニュースより

弁護士 清田美夏

平成28年11月22日、兵庫県民会館において「過労死をゼロにし、健康で充実して働き続けることができる社会へ」をテーマに、過労死等防止対策シンポジウムが開催されました。今年は、過労死等防止対策推進法が制定されてから3年目であり、シンポジウムも3回目を迎えました。

今回のシンポジウムは、最近、大手広告会社の女性新入社員が過労自殺した件が注目され、長時間労働が社会問題となっているということもあり、定員を超える多くの方々で会場が埋め尽くされました。

今年は、これまで長年過労死事件に取り組んで来られた川人博士弁護士の講演がありました。講演では、戦前の日本における労働実態にまでさかのぼり、長時間労働の問題点を指摘しておられました。川人弁護士は、働く者の健康なくしては健全な経営は成り立たないということを強く述べておられました。

次に、労働局より兵庫の過重労働の現状報告がありました。昨年、過重労働が疑われる事業所210カ所に実施した重点監督では、半数を超える119事業所に違法な残業があったことが判明しました、また、過労死に関する落語もあり、過労死防止の大切さを訴えていました。また、大切な家族を亡くされたご遺族の方の発言もありました、ご遺族の方の思いを聞くたびに、過労死防止の重要性を痛感し、社会全体で労働に対する価値観を変えていかなければならないという思いを強くします。

兵庫県では、弁護士や過労死遺族の会が中心となり、過労死等防止対策推進兵庫センターを立ち上げ、過労死に関する授業や過労死110番の実施、過労死シンポジウムへの協力などの活動を精力的に行なっています。今回のシンポジウムを通して、改めて過労死のない社会を目指して活動を続けて行く必要があると感じました。


第6回神戸マラソン報告

2017新年号事務所ニュースより

弁護士 桑原至

今年も神戸マラソンに出場しました。

神戸マラソンは、私にとって大切な大会です。大好きな神戸の街を思いっきり走れるだけでなく、事務所のメンバーが応援に来てくれるからです。

毎年高倍率の抽選になる人気大会ですが、私は今回を含めて4回も当選しており、たいへん恵まれています。

当日は蒸し暑い日で、朝から気温が20度近くまで上がりました。湿度が高いので汗が蒸発せず、身体の中に熱がこもります。そのせいか、普段なら楽に走れるペースでも息が上がり、思うようにペースを上げることができません。むしろ、じわりじわりとペースダウンしていきました。

それでも粘りの走りを続けていたところ、33キロ過ぎでアキレス腱周りに痛みが出ました。直感的に「これ、危ない痛みや」と悟ったので、事務所の応援団が待ってくれている34キロ地点のハーバーランドまで頑張ったあとは、おとなしくレースを降りました。リタイヤするわけではないものの、脚を守るために「頑張るのをやめる」という決断をしたのです。最後まで力を出し切らずに大好きな神戸マラソンを終えることは不本意でしたが、こうなってしまっては仕方がありません。

残り8キロをゆっくり、歩きとスロージョグで進み、何とか完走することはできました。タイムは3時間34分でした。

幸い、無理をしなかったのでアキレス腱には大事ありません。もしレースを降りる決断が遅れていたら深刻なダメージを受けていたことでしょう。

弁護士業務にも言えることですが、大事な局面で判断を誤らないように、何事においても、日ごろから嗅覚を磨いておきたいものです。


退所のごあいさつ

2017新年号事務所ニュースより

弁護士 瀬川嘉章

事後のご挨拶となりますが、昨年11月30日をもって神戸あじさい法律事務所を退所し、12月1日より同じビル6Fの「方円法律事務所」へ入所いたしました。

平成15年10月に神戸あじさい法律事務所に入所して以来、皆様から本当に休みがとれないほどに数多くのご依頼を受けることができ、また皆様からのご依頼、ご指導ご鞭撻を通じてプロフェッションとして有益な経験を多く積むことができました。皆様には心より感謝申し上げます。また在籍中は先輩弁護士の背中を見て常に依頼者の正当な利益が何であるかを考えこれを最大限追及するという姿勢が自然と身につき、また様々なことに積極的に取り組む先輩達にも刺激を受けることができ、これまで神戸あじさい法律事務所に在籍できたことに本当に感謝しております。

新事務所におきましても、依頼者の皆様のために最善の努力をしてまいりたいと思いますので、今後とも変わらぬご厚誼とご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。


法律一口メモ 奨学金問題で苦しむ方が増えています。

2017新年号事務所ニュースより

弁護士 坂本知可

ここ数年、奨学金の返済で困り、ご相談に来られる方が増えています。中には、奨学金のみしか債務がないのに、延滞金等がかさみ、破産に追い込まれる方もおられます。相談者の多くは、日本学生支援機構の度重なる厳しい督促に心を痛められています。同時に、奨学金を借りる前に、返済の内容等について詳しく知っていれば、そもそも奨学金を利用しなかったということもおっしゃいます。

当事務所では、私と清田弁護士が、兵庫奨学金の会( http://hyogoshogakukin.jimdo.com/ )に所属して、奨学金の問題で悩まれている方々のご相談をお聞きしたり、場合によっては日本学生支援機構等と交渉をしたりしています。日本学生支援機構は極めて杓子定規な態度を取りますので、交渉は容易ではありませんが、弁護士が介入することで、スムーズに進む場面もあります。過去に返済が困難な事情がある場合には、過去にさかのぼって猶予手続きを取ることで、支払い総額が抑えられる場合もあります。 (平成26年度以降、延滞金の賦課率が10パーセントから5パーセントに引き下げられたり、返還期限猶予制度の適用年数が通算5年から通算10年に延長されるなど、不十分ながらも救済措置が取られました)

皆さまも、奨学金のことでお困りの際には、どうぞ当事務所にお気軽にご相談下さい。

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