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「自白」の怖さ

弁護士 和田壮史

使用していたパソコンから、公共機関や幼稚園などに脅迫メールを送ったとして、複数の人達が逮捕されたのですが、後日、逮捕された人達の持っていたパソコンが遠隔操作ウイルスに冒されていて、そのパソコンを遠隔操作した真犯人が、あたかも逮捕された人達が送信したかのように見せかけてメールを送信していたことが判明した、という報道が最近なされています。自分のパソコンが遠隔操作されるということももちろん怖いのですが、それと同じように怖いのが、逮捕された人達のうちの数名が、初めは犯行を否定していたのに、その後に認めたということです。

しかも、犯行を認めた人達は、「就職試験に落ちたので、むしゃくしゃしていた。不採用の知らせを受けた当日にやった」「楽しそうな小学生を見て…困らせてやろうと思った」などと、いかにもありそうな、もっともらしい動機を語ったとされています。

「やってもない人が、やりましたなどと言うわけがない」「ましてや、詳細な動機なんて語るわけがない」普通は、そう思われるかもしれません。しかし、厳しい取り調べから逃れたいと思ったり、周囲に迷惑をかけたくないという気持ちから、本当の思いとは違う事実を供述してしまうことは、かなり多くあるのです。「否認していた『容疑者』が自白した」などどいう報道がなされても、その報道の裏にはこんな事実があるのかもしれません。

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