法律一口メモ

◆法律一口メモトップ


総量規制の導入、上限金利の引き下げ

弁護士 瀬川嘉章

平成18年に改正された貸金業法等は順次施行されてきましたが、今年6月18日、改正の大きな柱である総量規制の導入、上限金利の引下がなされました。

総量規制とは、借入残高が年収の3分の1を超える者に対し新たな貸付ができないという規制です。借入の負担を感じさせないような宣伝により返済能力を超えた貸付(過剰貸付)が行われ、これが多くの悲劇を生んだことから導入されました。ポイントを何点か。

1、既にかる借入が年収の3分の1を超えていても従来通りの返済でOK。また返済期間を延ばすための借換もOK。
2、住宅ローン、自動車ローン等は3分の1を超えても借入可能。
3、クレジットカードを使ったショッピングは対象外。
4、新たな借入の際には、基本的に年収を証明する書類が必要。
5、主婦の方などは、配偶者の同意があれば合算した年収の3分の1まで借入可能。

上限金利の引下とは、いわゆるグレーゾーン金利の撤廃のことです。利率の上限は利息規制法で定まっており(20パーセント(10万円未満)、18パーセント(10万円以上)、15パーセント(100万円以上)、超過利息は払う必要がなく払った場合は返してもらえます。しかし、これを超える金利を設定しても29.2パーセントまでは刑事罰は課されませんでした(出資法)。

そこで多くの貸金業者はこの間の利率(いわゆるグレーゾーン)に金利を設定していました。グレーゾーン金利でも一定の要件を満たせば利息をとれるのですが(「みなし弁済」といいます)、多くの貸金業者はその要件を満たしていないにもかかわらず事実上グレーゾーン金利をとっていました(したがって、弁護士等が入って正式に清算すれば減額となり、場合によっては「過払い」となって返してもらえます)。このたびの改正では刑事罰の対象が20パーセントに引き下げられ、みなし弁済も撤廃され、いわゆるグレーゾーン金利はなくなりました。

法改正により多重債務による悲劇がなくなることを願うばかりです。お困りのことがあれば、御相談を。

▲ページの先頭へ戻る